西成あいりん地区一帯に広がる中国人が経営するカラオケ居酒屋。
萩之茶屋、今池、、動物園前、飛田通り商店街には今や200件以上のカラオケ居酒屋があると言われている。
どの店もシステムは同じで、ドリンク一杯500円からでカラオケ一曲100円で歌うことができるとあって、西成の日雇い労働者や生活保護受給者の憩いの場になっているようだ。
カラオケ居酒屋には食べ物もあるが、500円からと高くチン(電子レンジで温める)するだけのものが多い。
西成には安くて美味しい店が多いので、わざわざそんな所で食べはしないのが現状。
とはいえ、中国人は売り上げを少しでも伸ばさなければいけないので「一杯いただいて良いですか?」と客からドリンクをせびるかカラオケを歌わせる戦法に出るのである。
しかし、その売上げに貢献するはずのカラオケが無くなるというのだ。
理由は、コロナ禍の影響で店を維持するために必死で家賃や従業員の給料を払うので精一杯でカラオケのリース代が払えないから。
緊急事態宣言中で店が閉まっている間もカラオケのリース代は毎月支払っていたという。
店側も限界が来たようだ。
西成の中国人が経営するカラオケ居酒屋からカラオケが無くなる日

カラオケのリース代は店舗によって様々だが、大体月々に2〜5万円はかかっているという。
顔馴染みの中国人が経営するカラオケ居酒屋に行くと、ママがカラオケのリース会社の人と電話していた。
「緊急事態宣言で閉店中も払っていたが限界だ。」
すごく切実な問題である。リース会社側も解約されると困るので必死に継続を促している。どうやら解約したい店は他にもあるようだった。
経営者の考えとしては、この先また緊急事態宣言が発令されるかもしれない。となると、お店が開けれないのに無駄なカラオケのリース代がかかってしまう。
補助金もすぐに支給されるわけじゃないので、このままじゃ維持できないのだ。
今後は、この店のように西成の中国人が経営するカラオケ居酒屋からカラオケが無くなる日が近そうである。

蔓延防止でもカラオケが規制されているので、コロナウイルスが完全に消えない限りカラオケでの売上げが見込めない。
西成から「カラオケ居酒屋」というワードが無くなってしまうだろう。
リース会社に違約金を払わなくてはいけないが、それでも解約したほうが良いと店のママは言う。
売上げの一部であるカラオケが無くなるとすれば、今後の営業形態も変わってくるだろう。
料理にもっと力を入れるか、ドリンク代を値上げするか、一杯頂いて良いですか攻撃をパワーアップさせるか、、、

安く飲めて若い女の子としゃべれるのが〝ウリ〟の西成のカラオケ居酒屋だが、今後は客側ももう少し財布の中身を温かくして行く必要があるだろう。

とはいえ、わたくしは西成の中国人カラオケ居酒屋が好きだ。
別にカラオケを歌うほうではないが、中国人やお店で知り合った人との楽しい会話がストレスの発散になっている。
西成は中国人に乗っ取られたという見解もあるが、活気があって地方から来た人や地元民たちがお金を落としてくれる。
星野リゾートができれば、もっと観光客も増えるだろう。
西成の中国人が経営するカラオケ居酒屋からカラオケが無くなる日は近そうだが、これからの発展と継続を願ってやまない。